銀河の逢瀬 〜杜の都・仙台〜
七夕

 伊達62万石の城下町・仙台。その七夕祭の歴史は古く、政宗が婦女子の文化向上のために奨励したのが始まりといわれ、700年以上の伝統を誇ります。8月5日の前夜祭。夏の夜空に花開く約1万5000発の花火で幕を開ける七夕祭は、8日までの期間中、200万人近い人出で賑わいます。所狭しと下がる折り鶴・短冊・吹き流しなどを付けた笹飾り。その下を行く観光客の群れ。時折見かける浴衣姿が涼を呼ぶ・・・ おなじみの中央・一番町通りのこの光景が、今年も見られるはずです。

 琴座の星・ベガ(織女星)は全天5番目の輝星。地球から約27光年の距離にあります。もう片方、ワシ座の星アルタイル(牽牛星)は16光年のかなたにある、全天で12番目に明るい星です。恋を語らうのに夢中の二つの星は天帝への義務を怠ったために怒りをかい、天の川を挟んで離れ離れにされてしまいます。しかしながら、年に一度7月7日の夜、鳥が天の川に羽を広げた時、恋人たちは会うことを許されます。

 「棚機津女(タナバタツメ=機織り娘)」を語源とする七夕は五節句の一つです。牽牛星と織女星を祭るこの行事が中国から伝わったのは奈良時代頃といいますから、政宗をさかのぼることさらに数世紀昔の話です。しかし、「牧場の番をする少年と機織り娘」という話そのものは、さらに時代をさかのぼり、前6世紀・周朝時代に書かれた『詩経』の中に既に見えています。夜空に輝く星にふさわしい、なんとも悠久な時の流れを感じさせるロマンです。

 ところで、二つの星が会えるのは旧暦の7月7日です。これは今年の暦では8月9日に なります。20世紀の今、彼らがいずれの暦に拠っているかは不明ですが、新暦での 7月7日の晴天率は25パーセント(仙台。1951〜80の30年間)。8月9日の晴天率は16パーセント(同)。いずれにしてもあまり高くはありません。しかしそもそも考えてみれば、他人の逢瀬を覗き見るのはあまり上品な趣味とは言えません。そうだとすれば雨のカーテンの向こうで二人だけの語らいの時をもたせてあげるというのも、思いやりというものではないでしょうか。
 8月9日の晴天率が62パーセントに達する東京にお住まいの方、ご判断はあなた自身でどうぞ。

 ・・・あなたも星に願いをかけてみませんか?

Lesson67の本稿「映画」に関連して、映画監督の大林宣彦氏サイドからメールをいただきました。
 大林監督は今、聴覚障害者を主人公にした『風の歌が聴きたい』という映画を制作中とのことです。
 制作にあたり、大林監督はご本人も手話に取り組まれたとのこと。編集過程に入っておられるとのことなので、公開も近いと思われます。
 ますますのご活躍を!

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ワンポイント手話レッスン(lesson 70)

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・仙台の七夕祭りはとても奇麗です
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★ワンポイントアドバイスへ

・仙台
・七夕祭り
・きれい

・更新日:'97.7.4現在 ・ '97.7.11(lesson 71)